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フェルメールって面白い!

2019年2月16日〜5月12日まで、大阪市立美術館(天王寺)にて、フェルメール展が開催中です。

見るだけでも楽しめますが、背景を知っていると面白さ倍増。フェルメール展へ行く前に知っておきたい豆知識、楽しみ方をご紹介します。

光の魔術師フェルメール

フェルメールは1632年ネーデルランド(現オランダ)生まれの、バロック期を代表する画家です。光と影の対比を用いた技法で、“光の魔術師”と呼ばれています。同じく“光の魔術師”と呼ばれるレンブラントもまた、ネーデルランドの画家です。

また、初めて顕微鏡を作ったレーウェンフックとは、4日違いに同じ村に生まれたそうな。余談ですが天才って、同時期に出現しますよね。音楽の世界でもメンデルスゾーン(1809年生)、シューマン&ショパン(1810年生)、リスト(1811年生)が同世代ですし。

フェルメール作品の見どころ

現存するフェルメールの作品はわずか35点で、そのうち8作品が今回日本に来ました。これは国内過去最多数だとか(ただし大阪は6作品のみの展示)。

残念ながら代名詞である「真珠の耳飾りの少女(青いターバンの少女)」は来ておらず、「真珠の首飾りの女」や「牛乳を注ぐ女」も東京のみの展示でしたが、「恋文」は大阪でしか見られません!!!

そして何と言っても、日本初公開となる「取り持ち女」が見どころです。

「取り持ち女」

取り持ち女とは、娼婦と客を取り持つ役の女性のことです。

黄色い服を着た娼婦にスポットが当たっているので、こちらが主役かと思ってしまいますが、「取り持ち女」は左から2番めの黒い服を着た女性。絵画のタイトルになってるのにも関わらず、影に潜むように、脇役かのように描かれています。

人物の色彩の対比や、男性客の指からのぞく金貨や娼婦が持つグラス、ワイン壺のきらめきがひときわ目を引きます。

ちなみに左端にいる、こちらに語りかけるように目線を送ってくる男性は、フェルメール自身だという説も。

「恋文」

シタールを片手に、メイドから渡された手紙を見てびっくりする女性。その様子を、まるで隣の部屋からのぞいているような構図…。

この絵の面白いのは、絵の中に描かれたモチーフによって、人物の置かれた状況や心情が暗喩されているところなんです。

女性が手に持つのは、愛を象徴する楽器、シタール。たまった洗濯物や投げ出された箒などを描くことで、女性が家事を放ったらかして恋にうつつを抜かしているのだと伝えています。

フェルメールの楽しみ方

「恋文」をじっくり見たあとは、他の作品にも注目してみましょう。まずは「手紙を書く女」。

そしてこちらは東京にしか来ていませんが、「真珠の首飾りの女」。

…ん?

あれ?

服、同じじゃない?

そうなんです。女性が着ている黄色いコート。そしてさらに真珠のアクセサリーまで、同じなんです。

この二つのアイテムはフェルメールの作品に頻繁に登場するので、他の作品でも探してみると面白そうですね(ちなみに黄色いコートは、実際にフェルメールが所有していたそう)。

これ以外にも、

  1. 同じ構図(左側の窓から光が差す構図が多い)
  2. 同じもの(あれ?これどこかで見たぞ?というアイテムが多い。楽器、地球儀、地図など)
  3. 同じ部屋…?(よくみるとタイルの模様などが違うけど、同じ部屋かと思うくらい似た部屋)

など、間違い探しならぬ似たもの探しができて楽しいのがフェルメール。

また、何といってもジュエリーが緻密で美しいのも特徴。本物のような透明感と艶やかさで、重みまで伝わってくるようなジュエリーも必見です。

フェルメールだけではない…!

更に今回の見どころは、フェルメールにとどまりません。周辺画家の作品もまた、面白い。私が今回くぎづけになったのは、

ヤン・ウェーニクス「野ウサギと狩りの獲物」

何せ、毛の質感がすっっごい!!!

野ウサギの毛ふわっふわ!本当に、ふわっふわなんです!トロッとした手触りがありありと伝わってきます。鳥の産毛だってモハっとしてて。触らなくてもわかるくらいの、その質感。

後で印刷物を見てみましたが、この質感は、実際の絵からじゃないと全く伝わってこないから、ぜひ実物を見てほしい!!!!

「手紙を書く男」「手紙を読む女」

ハブリエル・メツーのこの二つの作品は対になっており、並べて展示されています。身なりも調度品も良い美男子が手紙を書き、受け取ったと女性は慎ましやかで…既婚女性でしょうか。波乱の恋模様が描かれております。

…で、ここからが本題なんですが。もう一回、右側の「手紙を読む女」を見てくださいね。そしてフェルメールの「恋文」に戻ると…

ええぇ!!!!同じ服やん!!!

てか、メイドさんまで同じ服やん!!!

ぜひ、実際に見比べに行ってみてくださいね。